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CBD LOCAL | ::CBD COP10での取り組み報告
  • 2010-12-12 13:28:30
  • CBD COP10での取り組み報告
地域ネットワーク作業部会としてのCOP10での活動を、以下にまとめてみた。

[概 況]
●地域と草の根の市民活動をCOP10に繋ぐ作業部会として活動。名古屋、東京、関西、四国、沖縄、富山のメンバーを中心に、Skypeで会議を続けながら連携を深めた。
●地域間交流はCOP10での出会いから始まるとの認識のもと、白鳥会場ブースで「ゆんたく」(おしゃべり)することで今後のきっかけづくりに繋げる予定であった。しかしCOP10開催直前の10/15に、上関原発建設に伴う生物多様性ホットスポットの海、田ノ浦の埋め立て工事が始まり、議長国で行なわれようとしているCOP10の精神を踏みにじる開発行為に対して、国際社会の注目を集め、何としてでも阻止するため、様々なロビー活動を現地と連動しながら緊急事態対応として行なった。
●部会メンバーによる様々な草の根市民活動を、部会が窓口となり、CBD市民ネットの機能を使って支援サポートした。


[活動報告]
1.ポジションペーパーの作成、ポスターセッションへの参加
地域の目線から生物多様性に関する政策提言をまとめ、和英文で小冊子にまとめ、COP10で配布した。また、ポジションペーパーをデザイン、拡大掲出し、ポスターセッションに参加した。

2.MLで部会メンバー間の情報交換、ホームページで情報発信
メーリングリストを立ち上げ、各地のキイマンである部会メンバー間での情報交換を行なった。ホームページを立ち上げ、一部Usteemを含む情報発信を行なった。

3.部会メンバーの活動支援
部会メンバーがCOP10で活動するにあたり、フォーラム会場やブースの手配、パス等の申請を行なった。


[COP10連動企画への支援協力]
以下は、部会所属メンバーによる活動であり、部会としての活動ではないが、ここに関連報告する。

(1)生物多様性交流フェア ブース出展
地域交流サロンとしてブースを開放し、そこでの「ゆんたく」をUst中継することを当初予定。
しかし虔十の会による、高尾山と祝島の展示との共用となり、スペースが狭くなった上に、田ノ浦埋め立て工事への緊急抗議行動と7ジェネレーションズウォーク若者たちによるハンガーストライキ拠点としてブースを提供したことで、「ゆんたく」については断念。部会としての展示は、ほとんど行なわれなかった。 「ゆんたく」連動企画としては、10/17愛知淑徳大学市民放送局の学生が、ブースからCOP10中継を配信、武者小路、羽後両氏も出演した。

(2)関連イベント「まつり in COP10」(別称:「GO GO COP10」)
当初、COP10に合わせて行なわれる様々な市民イベントとの窓口となり、CBD市民ネットとの連動を図った。「13人のグランマ」「ホットスポッターズミーティング」が、「グローバル対話フォーラム」の一環として開催された。
夏までに集まった情報を「まつり in COP10」として情報集約。その後、坂田副部会長が普及啓発部会内にイベント分科会を立ち上げ、「GO GO COP10」として情報発信。

<部会メンバーが主催、協力した主な関連イベント>
いきものたちの集い 10/11 13:00〜21:30 出演:アンニャ・ライト、辻信一、他 
アースキャンプ 10/8〜11 @トヨタロックフェスティバル(豊田スタジアム前千石公園)
●COP10キャンプ村「おむすび村」 10/11~31 @定光寺キャンプ場(瀬戸市定光寺自然休養林内)
やおよろず地球まつり(じぶん条約コンサート) 10/17 11:00~17:00 @愛知県森林公園 野外演舞場 出演:GOCOO、HARKO、ラビラビ、他
いまじんウォーク 
・ウォーク 10/11徳山、設楽〜10/15名古屋。
・1000人パレード 10/17 14:00若宮大通公園〜17:00 熱田神宮公園
・水と炎の薪能 10/17 17:30〜 @堀川 出演:大倉正之助、ミネハハ
13人のグランマザー
・映画「FOR THE NEXT 7 GENERATIONS」上映+トーク 10/18 15:30〜17:30 @名古屋学院大学フォーラム小会場
・グローバル対話フォーラム 10/19 10:00~12:00 @名古屋学院大学フォーラム大会場 
・COP10円卓会議 10/19 16:00~19:00 @熱田神宮会館 
・おわりのはじまりの祈りの和 10/20 11:00〜16:00 @愛知県森林公園 植物園内芝生広場
映画「ぶんぶん通信2」上映会/上関現地リポート 10/18 13:00~15:00 @名古屋学院大学フォーラム小会場 トーク:高島美登里(長島の自然を守る会)、聞き手:坂田昌子(虔十の会) 映画「ぶんぶん通信2」(生物多様性篇、英語字幕付)上映
ホットスポッターズ・ミーティング
・戦略会議 10/21 10:00〜16:00 @熱田生涯学習センター(白鳥公園隣) 鎌仲ひとみ監督も参加。
グローバル対話フォーラム 10/23 @名古屋学院大学フォーラム大会場
ホットスポット音楽祭 10/22 13:00〜21:30 @愛知芸術文化センター 映画「祝の島」上映、ホットスポッターズトーク、ライブ:内田ボブ、いとうたかお、他
セブンジェネレーションズウォーク
・West 8/25山口・祝島〜10/8愛知 
・East 9/26東京・高尾山〜10/8愛知
・Wakasa 9/26福井・高浜〜10/1京都(Westと合流)
・ハンガーストライキ 10/16〜25 10日間実施
・いのちのパレード 10/23 13:00〜 @名古屋市久屋公園葦舟前〜栄一周 
・サンライズ・セレモニー 10/24 日の出〜 @名古屋・東谷山山頂 尾張戸神社 デニスバンクス参加
葦舟プロジェクト 10/8〜@名古屋市久屋公園光の広場 葦舟製作と葦舟での伊勢神宮へのおかげ参り。10/23 出発 10/24 進水式 10/29 出航式 11/3 宇治山田港到着
自然農フォーラム 10/28 13:00~17:30 @名古屋学院大学フォーラム小会場 映画「川口由一の世界 1995年の記録」上映。川口由一氏を交えたトーク。公式サイドイベント。後援:CBD市民ネット

(3)上関問題への緊急対応
10/15(金)、上関原発工事のための海洋埋め立て作業台船3隻が、大量の砂利を積載し、建設予定地の周辺海域に現れた。地元祝島漁師らが漁船を出して工事強行を阻止。田ノ浦の生物多様性ホットスポットが破壊寸前の緊急事態を迎えた。そこで国際社会にアピールするために、セキュリティチェックが必要な国際会議場内と会議場外とをつなぐパイプ役として、COP10を通じた様々な緊急アクションやロビー活動を行なった。

<COP10での主な上関緊急アクション>
 *部会としての活動に限らず、COP10での上関緊急アクションについて、主な活動を時系列に沿って、ここにまとめ記録する。なお、熱田会場での長島の自然を守る会、白鳥会場での虔十の会など、ブース出展については除外してあります。
●上関現地緊急リポート 
 10/18(月) 13:00~15:00 @名古屋学院大学フォーラム小会場。上関現地より高島美登里氏(長島の自然を守る会)を迎え、映画「ぶんぶん通信2」上映を交えて、現地の様子を緊急報告していただいた。
上関に関する緊急 記者会見 
・10/19(火) 16:30〜17:00 @名古屋国際会議場 国際会議室。 世界14カ国304団体が上関計画中止に賛同。
 報告者:高島美登里(長島の自然を守る会代表)、西海功(日本鳥学会副理事)、湯浅正恵(広島・上関リンク代表)、坂田昌子(虔十の会代表)、山田俊尚(7ジェネレーションズウォーク代表/客席から紹介 通訳:アイリーン・スミス(グリーンアクション代表) 進行:河内聰雄(地域作業部会長)
・10/19(火) 13:00〜14:00 @熱田会場NGO大テント 国際会議場外での緊急報告とNGO記者会見。
ヘラルドトリビューンアジア紙 意見広告
 10/18(月)発売の、広島・上関リンクが呼びかけた市民意見広告を、COP10関係者に配布。
国際共同声明
 海外100、国内270、合計370の団体が賛同。呼びかけ発起人 湯浅正恵
●ハンガーストライキ
 地域作業部会ブースで、7ジェネレーションズウォーク・メンバー4名が実施。期間:10/16〜25までの10日間。天台宗僧侶でもある代表山田氏は、10/23までは水も断っていた。
●ブースアピール
 地域作業部会ブースで、ホットスポッターズによるフライヤー配布ほか、各種アピールを実施。熱田会場でも、ラムネットのブースで長島の自然を守る会がアピール活動。
●COP10デイリーニュース『eco』に掲載
 ブースでハンガーストライキについて知ったCBDアライアンス(NGO窓口となっている国際ネットワーク)メンバーが、日刊NGOニュースペーパー『eco』10/20(水)号のトップページで、ハンストと上関問題を紹介。
●サイドイベントへの参加と発言
 10/21(木)「Biodiversity & Climate Justice」に、上関問題を扱う映画監督 鎌仲ひとみ、長島の自然 高島、7Gウォークメンバーらと地域部会河内が出席、発言。議長役は、米国環境団体「グローバル・ジャスティス・エコロジー・プロジェクト」代表のアン・ピーターマン氏。翌朝のNGOミーティングの議長を務めるCBDアライアンスのピーター氏も出席しており、出席発言を求められる。
●NGOミーティングでの発言
 10/22(金)朝のNGOミーティングで、7Gウォークの麻衣子氏から上関問題について紹介。資料配布。
本会議でのNGO声明
 10/22(金)午後のプレナリー(本会議)でのNGO声明の中で、上関について「いま進行しつつある悲劇」として、ICSF(漁業者支援国際協同)ラーミヤ・ラージャゴパーラン氏(インド)より発言。
*NGO声明の読み上げは52分40秒あたりから58分40秒まで。上関原発についての言及は57分50秒から。*NGO‒CSO Statementの原稿。

●緊急対応ミーティング
ICCA(先住民族とコミュニティーが守ってきた地域)コンソーシアムのゴサンフェイラ・ラベンド氏とアシシ・コタリ氏(インド)より10/23(土)ICCAの戦略ミーティングに招かれ、7Gwalkの麻衣子と地域部会河内が参加、発言。そこで海外NGOが署名できる内容についてヒアリング。
・10/24(日) 急遽、長島の自然 高島、WWF花輪、民主党山崎各氏と7G麻衣子、ホットスポッターズ冨田、地域部会河内が集まり、COP10参加NGOが署名できる内容での署名活動と、国際会議場周囲での草の根市民アクションを立ち上げる。
COP10参加NGOによる国際署名活動
 日本政府への、上関原発工事の一時中断と、環境アセスのやり直しを求めるCOP10参加NGOによる署名活動を、10/25(月)より始める。取りまとめ団体:長島の自然を守る会。呼びかけ団体:WWFジャパン、日本自然保護協会、ラムサールネットワーク日本、日本環境法律家連盟、7ジェネレーションズウォーク。
●民主党議員との懇談会
 10/25(月) 13:00〜15:00にキャッスルプラザで行なわれた、民主党議員との懇談会で、虔十の会坂田がCOP10での上関アクションについて紹介。 
●CBD市民ネット、CBDアライアンス 合同記者会見での声明
 10/25(月) 13:00〜13:30 @名古屋国際会議場 国際会議室での“ドードー賞”発表記者会見で、CBD市民ネット 高山進 共同代表が、上関計画中止を求め「会議への冒涜」と言及。
◎10/25(月)、埋め立て工事用の作業台船が、上関原発建設予定地の周辺海域より全て引き上げる。

(4)草の根市民アクション
「ホットスポッターズ・ミーティング」のために全国から集まったホットスポッターズや、COP10に関心を寄せる若者たちやアーチストたちが中心となり、国際会議場外で、上関問題を中心に幾つもの独創的な市民アクションを展開した。会議場の中と外を繋ぐアクションとなった。

Real SOS! Kaminosekiアピール (呼びかけ:冨田貴文/ホットスポッターズ)
・Real SOS!! Kaminoseki Day @国際会議場周辺、西高蔵駅前、日比野駅前
 10/26(火) 8:30〜9:30、上関のことを訴える街頭アピールを行なった。インド他の海外NGOも参加した。
グリーンハート・アクション @名古屋国際会議場、白鳥公園、熱田公園
 10/25(月)、26(火) 終日、おむすび村(COP10キャンプ村@定光寺キャンプ場)の人達が手作りした、♡の形をした祝島をかたどった緑色のハートのステッカーやバッチを、ブースに掲げたり身につけてアピール。多くのNGO関係者も着用してくれた。
●NGOバナーアピール (呼びかけ:河内聰雄、坂田昌子)
 10/27(水) 8:30〜10:00 @国際会議場入口前。この日から始まる首脳級会合に合わせて、NGOによる共同バナーアピールを実施。朝のNGOミーティングで呼びかけ、40名ほどの国内外NGOが参加した。
Happy Link (呼びかけ:広田奈津子、坂田昌子)
 11/28(木) 11:30〜12:30 @国際会議場南側(白鳥公園側)フェンス沿い。COP10会議でのあらゆる選択が、目先の利益でなく地球を優先するよう、Earth First! を合い言葉に、約200名が雨の中集い、会議場を人の輪で囲んで、会議場の中で頑張っている人へ、批判でなく愛の応援のエネルギーを送った。朝のNGOミーティングでも呼びかけ、海外NGOも参加。地元名古屋市民も多数加わった。

(5)国内開発問題への提言
日本政府がCOP10議長国であるにもかかわらず、国内で自然環境を破壊する開発事業を進めていることを指摘し、事業の中止を求めるための共同アクションを、JUCON(Japan US Citizens for Okinawa Network)が呼びかけ人となり、沖縄生物多様性ネットワークと地域作業部会メンバーがサポートして実施。
「開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」
 12/25に行った「COP10 Joint Action!」で発表。WWFジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会をはじめ、主要な自然保護団体が参加。NGO76団体による共同宣言と、国内で進む20の開発計画が生物多様性を失わせるとして、政府に対し中止を求めた。11/9に、JUCONより環境省に同要望書を提出。全文はこちら
「COP10 Joint Action! ニッポンの宿題」バナーアクション
 10/25(月) 11:00〜12:00 @白鳥公園中央広場の大きな木の下。COP10期間中、唯一の大掛かりなNGO共同バナーアクションとなった。「開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」に参加した市民団体を中心に、韓国、インドのNGOも参加。上関、高尾山、辺野古を始め、現地からも市民グループが参加し、アピールした。また同日25日、市民の反対を押し切って宅地造成のための伐採が始まってしまった名古屋の里山、平針からも緊急参加アピールがあった。


[総括と提言] 
◎部会活動について
 地域作業部会の英文名称は、Working Group on Local & Grassroots Networksである。地域と草の根の市民活動をCOP10に繋ぐ作業部会として活動を開始した。
 部会メンバーには、各地の実力あるアクティビストやキイマンが集い、新たな出会いも生まれ、相互にサポートし合ったものの、部会としての活動が殆どできなかったことは、大きな反省点である。テーマ別作業部会とは異なり、つながるための具体的な目的が見出せなかったと言わざるを得ない。
 ゆえに、CBD市民ネットを通じて得たCOP10関連情報を部会メンバーに伝達したり、部会メンバーが関わる草の根の様々な市民活動を、CBD市民ネットが窓口となった「生物多様性交流フェア」に繋げたり、国際会議場内(セキュリティエリア内)に繋げることを、部会長としてサポートすることに終始した。

◎地域間ネットワークについて
 今回初めて各地域のepo(環境省環境パートナーシップオフィス)が一堂に会してイベントを行ったことで、各地の自然活動団体間に顔を合わせた繫がりが生まれた。また、その他多くの市民団体や企業とも交流できた。しかし、名刺の数が増えることがネットワークではなく、生物多様性をベースにした、具体的ミッションやアクションを共有できて初めてネットワークとなると考える。
 そんな中で、各地で開発の手から生物多様性を守る行動を続けるホットスポッターズ達は、「ホットスポッターズ・ミーティング」を通じて、今後の繫がりに大きな期待を寄せていた。自分たちの今の力だけでは、ホットスポットを守るにも限界があるからである。呼びかけた坂田副部会長は、今後も継続開催し、ホットスポッターズのネットワークづくりに繋げたいと考えている。

◎生物多様性地域戦略づくりへの支援
 現在、生物多様性国家戦略に定められている通り、2012年までに各地方自治体で生物多様性地域戦略が策定されるが、それに向けて市民グループも参加する諮問委員会が次々と設けられている。しかしながら、いつも通りの名ばかりの委員会になる可能性も高く、そのためにも市民グループのスキルアップ、行政との更なる信頼関係の構築、先行施行した他県との情報交換、市民グループ同士の経験交流などが求められる。
 
◎地域が求めることの幾つか
・生物多様性は地域によって異なるため、他県での例はなかなか参考にはならない。しかし法整備や行政施策の先行優良事例、NPOとの優良恊働事例など、地域間で情報共有できるものも数多くある。
・地方ではなかなか得られないものに、中央省庁の情報がある。永田町や霞ヶ関へのロビー活動もそうである。地域と中央との橋渡し役が期待される。
・東京や大阪などの中央と地域とでは、人材の層の厚み、情報力、情報発信力、文化人とのネットワーク力、国際経験値、資金力などにおいて大きな開きがある。それらへの中間支援が求められる。
・新しいことは地域内ではなかなか評価されず、外からの評価に弱い傾向がある。積極的に地域の取り組みを、中央から評価することが望ましい。
・地域には地域のプライドがあり、中央からの上位下達に対しては敏感に反応し、組織化されることを嫌う傾向がある。

◎ローカルコミュニティが守ってきた地域を保全するためには
 地域共同体が生活や文化の中で生物多様性を守ってきた地域という考え方を、生物多様性条約ではICCA(先住民共同体保全地域/Indigenous and Communities Conserved Areas)と捉えている。
 隅々まで都市化が進む今日においては、都会だけでなく田舎においても、伝統的な知恵を大切に暮らしている人はごく少数派であり、その大半は戦前生まれの高齢者であろう。今はまだ、全国各地に素晴らしい伝統的な知恵を守り継いできた方々が生きている。そうした知恵をしっかり継承することが、地域の生物多様性保全には不可欠であり、今後地域が担うべき大きな役割であると考える。
 政府の進めるSATOYAMAイニシアティブには、「持続可能な社会」という言葉はあるものの「自給」という言葉は見当たらない。ますますグローバル化する現代において「自給」は死語に等しいかもしれないが、地域の限られた自然の恵みを工夫して食すからこそ多様な食文化が生まれ、自給する暮らしの中で様々な知恵が育まれたのではないだろうか。保全活動や文化教室で守るのではなく、市場に依存せず自然に依存しながら自給する暮らしを伝承する必要性があるのではないだろうか。
 そして、現実的に生物多様性豊かな地域を保全するためには、まず地域におけるヒト、情報、コミュニティの把握が大切であろう。街づくりを含め、地域再生の基本でもある。その上で、生態系サービスを安定的に利用するための生態学に基づいたルールづくりとそれを維持するガバナンスが問題になるだろう。 (1)ガバナンス (2)担い手 (3)コーディネーター について考える必要があると思われる。
 地域における農業者やNPOなど多様な主体の連携によって、生物多様性保全活動を促進させるための「里地里山法」も、今年11/30に成立したばかりである。SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)も発足した。次はいよいよ地域の出番である。

 全国各地で、互いの知恵を生かしながら、地域に根ざした生物多様性保全を盛り上げ、次世代へ継承す
ることを目指す。これは地域作業部会の本来目指していたところであった。残念ながら当部会の力量不足もあり遠く及ばなかったが、その役目を今後結成されるCBD市民ネット後継組織に期待するものである。

(文責:河内聰雄/地域作業部会 部会長)

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