• 2011-02-28 23:44:20
  • 上関原発計画を止めるためには
思いつくままに、上関原発を止めるためにできることを列挙してみました。
そもそもは、平成22年6月に改訂された経済産業省「エネルギー基本計画」に「2020 年までに9基、さらに2030 年までに少なくとも14 基以上の原子力発電所の新増設を行なう」と明記されていることが、上関原子力発電所計画を急がせる最大の原因となっている。


◎研究者による調査、研究
科学的・医学的・生態学的調査を基に、客観的に判断できるデータベースの構築と運動への活用が、これまで以上に求められている。

・原発から放出される排煙・排水からの微量放射能蓄積による、環境と人体への悪影響
 →周辺住民の健康被害に関する調査。ガン、小児白血病が多いとドイツ報告例
 →周辺生態系への放射能汚染に関する環境影響調査。
 →食物連鎖による放射能の生態濃縮に関する調査。

・長期的に見た経済的効果の非効率性
 →立地対策、建設、核燃料調達、運転、放射性廃棄物、廃炉、放射性解体ゴミ、という原発にまつわる全コストを調査・合算し、それに見合った税金投入であるかを判断。
 →長期的に見た地域振興としての効果を判断。

・増え続ける放射能のゴミ処分
 →溜まる一方の高レベル放射性廃棄物の、何世紀にも渡る安全な貯蔵管理。
 →今後迎える、老朽原発解体によるおびただしい量の被爆廃棄物の安全な貯蔵管理。

原発震災の危険性
 →地震大国日本に55基の原発、さらに13の研究実験炉、11の原子燃料加工・再処理施設。付近には至る所に活断層
 →上関では付近に活断層がある可能性。より精度な調査を行う必要を確認(中国電力報道資料2009年6月17日)
 →中越沖地震での柏崎刈羽原発高波事故のような、沿岸部にある原発への高波災害。

・軍事的に見た脆弱性
 →国防上、テロ対策上、標的にされやすい原発。


◎環境環境評価の再調査、再評価
上関では、法改正前の不十分なアセスメントを基に、生物多様性ホットスポットであるにもかかわらず、工事を強行し、海を埋め立てようとしていること自体が非常識。

・環境アセスメントのやり直し要求
 →日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会の3学会による中国電力への申し入れ。日本生態学会は上関原発予定地生物多様性保全要望書を環境省に10回も提出。
 →COP10にて、WWFジャパン、日本自然保護協会、ラムサールネットワーク日本、環境法律家連盟、長島の自然を守る会らが呼びかけて、海外参加者からも多数賛同署名を集めた。


◎NGO声明
公的性格が強いNGOが、公正な立場から声明を発信することはとても心強いメッセージであり、その声明文は、様々に引用したり、保護活動への理論づけとなる。
 →COP10本会議でのNGO声明 その動画(52分40秒〜58分40秒)
 →過去の国内関連NGO声明
 →辺野古へのIUCN勧告
 →上関へのWWF声明日本自然保護協会声明


◎文化人声明
例えば、海外ではロックスターやハリウッド俳優が、環境や人権問題に対して、たびたび発言し、世界的な世論へ訴え、影響力を及ぼしてきた。著名文化人からの声明発信は、世論を動かす影響力を持っている。例えば、国内メディアが動かないなら、海外でも名前の通った著名人が、外国人記者クラブから発信し、海外報道による逆輸入でメディアを動かすとか。
 →上関へのジャーナリスト、言論文化人からの声明


◎理解しがたいプロセス
・地元合意のない強引な計画。上関町は反対6割。祝島(いわいしま)住民は9割反対。
・原発建設予定地田ノ浦の漁業権を祝島漁協は放棄していないのに、二井(にい)山口県知事は先走って2009年10月埋め立て許可を出した。
・2010年4月山口県は祝島漁協の同意を得ないまま、異例の埋立許可を出した。地元の人が昔から四代八幡宮司を建てて祀ってきた漁場を育む山も、「魚つき保安林」(1.3516ヘクタール)から解除し、用地造成を可能にした。
・予定地山林の提供に反対だった四代八幡宮司の退職願を偽造。神社本庁は宮司を解任。宮司は損害賠償提訴するも一審二審敗訴、法廷で倒れ死亡。買収した山林から造成工事を開始。
・2009年12月中国電力は国に原子炉設置許可を申請。未だ原子炉設置許可が下りていないのに、2011年2月21日深夜から強行工事開始、2月23日反対する住民にケガ人が2名発生。
・2010年1月18日山口地裁岩国支部は中国電力の仮処分申請を受け「上関原発を建てさせない祝島島民の会」に公有水面での工事の妨害行為を禁じる決定を出した。保全意義申し立てを行ったが4月2日却下された。3月31日海面埋め立て工事等の妨害を禁じ妨害した場合は1日当たり500万円の支払いを命じる決定を出した。9月妨害活動の禁止を命じる仮処分申請への抗告を広島高裁が棄却したが、不服として特別抗告している。海浜部分での仮処分では2月21日に地裁で敗訴、しかしすぐに高裁へ抗告した。
まるで裁判所と示し合わせたかのように、この日強行工事が始まった。
・地域コミュニティの破壊、漁協同士の憎しみ合いを演出。1987年中国電力は旧祝島漁協に5億4千万円を振り込んだが祝島漁協は即日返金、以降一貫して受け取り拒否。そこで中国電力は2000年、祝島以外の四代(しだい)と上関(かみのせき)ほか7漁協に保証金125億5000万円のうち半額を支払い、残りは公有水面埋め立て免許が出た時に払うと条件づけた。祝島漁民は補償金の受け取りを拒否し続けたため、祝島漁協と四代上関他7漁協との間にあった円満な関係が分断破壊、対立が演出された。残りの半額125億5000万円は、2010年4月28年ぶりに関係7漁協に支払われた。


◎訴訟中
・自然の権利訴訟
 →2008年12月スナメリ、カンムリウミスズメ、希少貝類ナガシマツボなど生物6種を原告に加えた自然の権利訴訟が起こされ、山口県知事相手に埋め立て取り消しを求める裁判が行われている。


◎スキャンダル追求
多額の資金が投入され、原発利権として流れており、不正・癒着・談合・ズサン管理・不法行為などのスキャンダルが一切ないと考える方が不自然だと思うが。

・情報の隠蔽、非開示、湾曲。
 →理解できない内容の誇大広告

・自然破壊
 →強引に開発作業を進行。

・政治と金
 →巨額の利権に群がる建設関連会社による地域行政支配、談合。
 →地元有力者=建設関連会社=首長・地方議員の、利権による癒着。
 →建設会社から中央有力議員への政治献金、原発族議員による行政圧力。

・人権侵害、地域内断絶
 →地域住民の分断、地縁組織が担ってきた伝統行事の崩壊。
 →建設反対住民への嫌がらせ、脅迫。

・選挙
 →建設推進派からバラまかれる賄賂。
 →選挙目的の一時住民登録、選挙・住民投票での不正。
・経営
 →多額の借金で原発を建設。(中国電力は売り上げの1.5倍の1兆5千億円の借金を背負ってまで、上関、島根2基の新規原発計画。
 →巨額の融資資金の流れ。


◎政治家による立法と国策転換
上関は、旧民社党勢力(電力総連、電気労連)、経産省の原発推進チーム、民主党「原子力新規立地チーム」(川畑議員を座長に近藤議員)に押されて強行。その裏には、産業界、学術界、メディアをはじめ、莫大な数の利権集団が加わって一枚岩になっている。彼らの意を押しのけて国策転換するのは容易ではないだろうが・・・。

・研究者からの調査・研究データに基づいた、環境面、健康面、経済面、防災面、国防面で理にかなった政策ビジョン策定。
・脱原発に向けた法案をつくり、政令、省令、条例などに政策実行と関連法案の策定。
 →日本でも「脱原子力法案」を!
 →「温暖化対策基本法案」から原発推進除外
 →活断層付近の危険建築物を禁止する活断層法案。
 →電源立地地域対策交付金を事業仕分け。



いずれにせよ、従来の脱原発運動だけでなく、環境NGOも、ジャーナリストも、政治家も、市民も、皆が協力し合っていかないことには、現状打開は得られないと思う。

世界中で続く事故。1979年米国 スリーマイル事故、1986年ソ連 チェルノブイリ事故…。
国内でも、1999年北陸 志賀原発事故・東海村 JOC事故2名死亡、2004年関西 美浜原発事故5名死亡。そのたびに若者たちが動いてきた。
いつまでこの闘いを続けなくてはいけないのだろうか。上関は今後長期化する可能性も秘めている。なぜなら、抵抗するための確固たる信念と行動力、有り余る矛盾があるから。

坂本龍一さんの発言や、鎌仲ひとみ監督の一連の放射能関連映画によって、事故による一過性のムーブメントではなく、じわじわと草の根に広がり、上関を契機に一気に爆発している。
・お金による懐柔に屈しない祝島の漁師たち。彼らの揺るぎない信念に、多くの共感が集まっている。
祝島漁民の漁業権は放棄されておらず、それを押して埋め立て工事をし、漁場を奪う行為は許されるものではない。
・原発に頼らない祝島の伝統的な暮らしと、原発に頼らざるを得ない矛盾と悪循環の対比によって、持続可能な選択すべき道が明らかになっている。
・中国電力や政府によるずさんな調査関係団体を巻き込んだ力づくの振る舞いも、Ustream中継YouTubeによってインターネット上で周知されている。
・最も敏感に反応している20代の若者たちは、ハンストを始め、徹底した平和行動によって抵抗し、ツイッターやUstreamなど、インターネットメディアを駆使して、共感の輪を広げている。


この上関問題を乗り越え、脱原発へと舵を切り直すことができたとき、はじめて希望ある未来が開けるものと確信する。


*とても有効な資料:カミノセキ・モラトリアム

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